WC2000Finland大会報告書 2000/7/28

<大会に向けて1〜日本で〜>

 もともとはWCに出る予定はなかった。来年度のWOCも視野に入れた中でフィンランドでトレーニングを積もうと考え、トレーニングキャンプとFIN5に出場することが目的であった。しかし藤井先生から指名を受け、せっかくの機会であるから出場することを決意した。もともと、ユニバーの調整と考えていたのできちんとした準備はできていなかった。Lahtiの地図を日本で入手していたが、それも数レッグ組んでルートチョイスの練習をしていただけだった。ただ体力的な面ではかなりいい感じで調整できていた。それはこの遠征が調整であると感じていたから、向こうでいい練習をするために体調はいい状態にしておこうと思ったからだ。

<大会に向けて2〜フィンランドで〜>

 フィンランドでは他の選手より1週間早くついてトレーニングキャンプを張った。本格的にトレーニングキャンプを張るのは初めてだったが、フィンランドの見通しのきかないテラインにてこずりながらも直進の精度に磨きをかけ、方向の意識に対する重要性を肌で感じた。日本で村越さんがコンパスを見ろとしきりに言っていたが、そのことの重要性をしった。日本でも応用できると思った。そしてそれができればもっとオリエンテーリングの流れがスムーズになると感じた。

<大会に向けての目標設定>

モデルイベント前夜に目標を設定した。ショート、ミドル共に100位以内にはいって、最終日のチェイシングに残る事であった。100位以内に入るという目標は、後から見れば無難な目標であったと思う。タイム的に計算してみて、ミスをしないレースをすればその辺りに順位が来るからだ。しかしそうはいかなかった。またそれも自分の実力であろう。

<WCのレースについて>

18日はショートのレースであった。3,9kmでアップ165m。感じとしては無難にまとめたといった所だろうか。6−7で3〜4分のミスをしているものの集中してレースが出来ていた。縮尺の感覚に不安を持っていたので、レース運びにぎこちなさがあったが、それがいい方向に向いたようだった。わたしは37 分のレースで村越さん31分、松澤さん34分、加賀屋さんは対応に苦しんだようで40分のレースであった。ラップを比べてみても、巡航スピードによる差はあるもののまあまあよいレースであるように思われた。山の中で多くの選手を見かけたがけしてついていけないスピードではないと感じた。そしてまた、そのスピードで自分はオリエンテーリングを行う事が今は出来ないであろうとも感じた。ついていけないスピードではないがそれはただはしるという点においてのみであった。あの足場の悪く、湿地の多い山を走るだけでも大変であるのに、地図読みをプラスするのは危険だと感じた。それならば少し巡航速度を落としても正確に進む方が今の所自然であると思った。

19日はミドルのレースであった。6900mアップ275m。前日の思わぬ結果に少し気をよくしながらも、大きなミスをした事に対しての反省を忘れずかぶとの緒をしめる気持ちであった。思ったより現地と対応できていたこともあって(スピードを落としたのだから当たり前の事なのだが)気持ちが走る事に対して少しプラスに働きそして技術に対してマイナスになった。結果的に1−2分のミスを連発し全体的にさえないレースになってしまった。私が68分加賀屋さんが昨日のレースから、ミスを抑えて無難な走りで64分松澤さんは60分村越さんは55分であった。レース後何が足りなかったのか考えた。村越さんに、「気合が足りなかったのだろう」といわれた。WCなどの国際大会は1日で終わる事はない。インカレもそうだが、2日目はリレーであまり出来不出来が現れにくい。ユニバーもそうだが4日間、体力と気力を充実させておく事に大切さを感じた。もちろんいつもピリピリしているわけではなくて、宿舎にいるときや、買い物に出かけるときはは思い思いにリラックスして過ごす事も大事な事だと感じた。

21日はクラシックのレースであった。結果はリザルトの通りである。チェイシングに残るという目的は達成できたものの若さが出た形となった。10秒前の加賀屋さんに1ポで追いつき4人の集団を引っ張る形となった。地図と現地が完全に対応できていないにもかかわらず走り出す始末。後ろから走ってきているので止まるに止まれず走り続け現在地ロスト。何とか走り始めるもその後も精彩を欠き中間のビジュアルで加賀屋さんに10分の差をつけられる。あれだけ LAHTIの地図を使って練習したにもかかわらず。全くそれが生かされてない自分に腹が立ったしかし悪い所ばかりではなかった。前半で崩れたもののその後もレースを投げ出さず、後半は加賀屋さんとほぼ同じタイムで走れた。多くの選手が前半でレースを棄権したタフなコースであったにもかかわらずそのように走れた事は評価できるだろう。残念だったのは、地図をもらったのに有効な対策が練られていなかった点だ。直前でWCに出場する事が決まったという点もあるが WCに対する意欲が低かった。終わってみてから感じる事なのかもしれない。フィンランドにいく前はユニバーの調整のつもりだったが走ってみると自分は日本の代表の一人である事は間違いないし、他の選手も、観客さえも日本のトップ選手がフィンランドに来たと思っているかもしれないわけだから、ほんとにくやしかった。

<WCを終えて、来年に向けて>

 今回感じた事の一つに日本で出来る事が出来なかったという点が上げられる。もちろんフィンランドの難しい地形のせいで地図読みが間に合わないという事もあるのかもしれないが、まだまだ読図、そしてリロケートの能力が弱いと感じた。こういう物は、何も外国にいかなければ出来ない事ではないし、日本で鍛えられる事だと思う。体力的にも、ユニバーに向けて更なるアップは望めないかもしれないが、1,2年後に自分はこういうふうに走れているという具体的なビジョンを持って、それに近づくよう日比の練習を工夫していきたいと思う。

何が足りないのか? 具体的には、
  (1)どんな不整地だろうとしっかり走れる体力。
  (2)ある程度負荷が高くなってもしっかり地図を読みきる集中力。
(2)については、@ポスト周り、A難度の高い場所、が課題だろう。そこでしっかり地図とコンタクトを取り、有効な情報を選び出しそして使うことができなければならない。日本のテラインだと、アタックから脱出までの流れで脱出をある程度いいがげんに行ってもたいして傷口を広げることはないので、外国のテラインでやるように、集中して意識する必要があるだろう。