トレイルとミドルで公園の表裏を楽しむ-東北大大会前日イベント(2012)

2012年9月 7日
レース中の選手たち 撮影:上林弘敏

 9月1日、宮城県仙台市青葉区の台原森林公園において「東北大学オリエンテーリング大会前日イベント」が開催され、トレイルO:Aクラスは藤生孝志(東京OLクラブ)、ミドル:Lクラスは結城克哉(東大OLK)が優勝した。

 昨年は震災の影響により東北大大会自体の開催が慌ただしいものとなっていたため、前日イベントは開催されなかった。2年ぶりの開催となる今年はトレイルOとフットO(ミドル)の2種目が行われ、100人以上の参加者が集まった。

 本イベントのテレイン『台原森林公園~茉莉花~』は仙台市民の憩いの場として親しまれており、会場の旭ヶ丘駅前はフリーマーケットや「みちのくYOSAKOIまつり」といったイベントも開催される。歩道も整備されており、公園内ではランナーの姿も多くみられる。仙台市の中心部からも近く、東北大の新歓行事で毎年最初に使用されるテレインでもある。これだけ見ると非常に爽やかな公園という印象を受けるが...

運営者にアンケート:台原森林公園の特徴を短く表わすと?

 ここで、運営者である東北大・宮城学院女子大の学生にアンケートをとった結果をご覧いただこう。アンケートの内容は「台原森林公園の特徴を短く表わすと?」。

滑落注意、 爽やかさとヤブさの同居、 まるで女性のよう、 道がめんどい、 ミニ岩切、 ヤブい、 裏表がある素敵なテレイン、 沢がエグい、 ヤブい ザ・東北テレイン、 目の前が緑、 エグい、 爽やかなエグさ、 公園型テレ...イン...?、 ヤブい、 雨上がりは別の顔、 皮膚がかゆい、 ウラとオモテ キョロキョロ...見えない、 僕の嫌いなテレイン、 よさこい、 フリーマーケット、 ランナーが多い、 気軽なくせに鬼畜、 雨上がりは別の顔、 クモの巣が多い、 公園かと思いきや...
Lクラス1位 結城のルート

 ...なかなか、爽やかとは程遠い回答が立ち並ぶ。そう、台原森林公園は一度道を外れて森林の中に入ると、発達したヤブが目の前をふさぎ、小径は分かりにくく、斜面も急という、裏の顔を見せてくれる。特に、テレインの南西部の森林(Lクラスの4~8番コントロールの辺り)は学生の間では「裏台原」と呼ばれており、「オモテ」の爽やかなコースしか走ったことのない新入生が初めて足を踏み入れて衝撃を受けることもざらである。

 このテレインのO-MAPは、今まで縮尺1:5000であるにもかかわらず、等高線間隔5 mで表記されていたが、今回のリメイクで等高線間隔を2.5 mに変更。地図調査の原図も、国土地理院で無料公開されている航空レーザー測量によるものを用いており、GPSの導入も相まって、旧図よりも精度を向上させることに成功している。もっとも、マッパーの中村憲によると「地形の表現は経験によるものが大きく、今の自分の実力では十分によく表現できない箇所もあった」とのことで、今後さらに精度向上を図っていくとのこと。今後、今回の未調査域もカバーし、さらに高精度となった『台原森林公園』の登場が期待される。

世界選手権銅メダリストのコースに挑むトレイルO

 本イベントのトレイルOはJOA公認大会であり、WTOC2009銅メダリストの木村治雄がコースセッターを務めた。道から外れないという競技性質もあって、台原森林公園の「オモテ側」...近代庭園区や大きな池といった名所を通りつつの競技となった。

トレイルO Aクラス入賞者
トレイルO Aクラス入賞者

 開幕のTC(タイムコントロール)では、1か所のTCで2問連続して出題されるという変わった形式がとられた。これは、昨年度の第7回全日本トレイルO選手権でも行われた形式で、最近のヨーロッパの大会や世界選手権で採用されているとのこと。

 AクラスはTC合わせて全17問のコースで、ミスを唯一1問に抑えた藤生が優勝した。今年度では初のトレイルOだったようで、久しぶりだったせいもあってか後半のコントロールでは悩む局面も多かったようだ。コースセッターの解説での木村のコメントによると「(隣接フラッグの設定も甘めで)今回はさほど難易度は高くない」が、「秋からの国内戦で始まり夏の国際大会までのシーズンを見たときの第1戦としてはこんなものだろう」とのこと。エリート選手に対しては「全問正解したうえで、正解に至るまでの手順に読み抜け(たまたま他の手順で正解を選択できたが、より確実に正解できるセッターの意図どおりの手順に気付かなかった場合など)がなかったか検証し、技術の底上げを図って次でのさらなる結果向上につなげてもらいたいところである」とコメントしている。

 同じく東北地方で開催される9月22日の岩手OフェスタでもJOA公認のトレイルO競技が行われる。参加者としては、今回の競技内容の反省を早速生かして臨みたいものである。

「裏台原」を駆け抜けるミドル

ミドル Lクラス入賞者
ミドル Lクラス入賞者

 午後のミドル競技では、トレイルOとは打って変わって台原森林公園の「ウラ側」を多く使用したコースが提供され、高いレベルの登坂力と、ヤブの中でのナビゲーション力が問われた。コースプロフィールにもある通り「舗装道から不明瞭小径まで多数の道があり、これをどのように利用するか」もカギとなった。

 Lクラスを制した結城は「(東北大生から台原については)噂で色々聞いていたが、見た目こそヤブいが、思い切って飛び込んでみれば意外と走れた。とはいえ、もちろんヤブを避けられるときは小径を使って回避し、その分スピードを上げて走ることができた」と語っており、優勝想定30分のコースで2位の細渕晃平(東大OLK)を4分以上離す快走を見せた。

 また、ミドルでは専用のクラスで青葉会選手権(東北大OB/OGのNo.1決定戦)が行われ、久しぶりに集ったOBOGが馴染みのテレインで勝負を繰り広げた。OBOGが集う母校の大会に合わせて選手権を行うというのも、大会の楽しみが増えてなかなか面白い企画となるのではないだろうか。

速報より

トレイルO Aクラス
1藤生 孝志16点 39秒東京OLクラブ
2山口 尚宏15点 12秒OLCルーパー
3中尾 吉男15点 17秒京葉OLクラブ
ミドル Lクラス 2.8 km ↑140 m
1結城 克哉0:26:13東大OLK
2細淵 晃平0:30:51東大OLK
3真保 陽一0:31:33東大OLK
19(女性1位)稲毛 日菜子0:43:00
[posted by yi]
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