普及とは、何をどうすることか?

2010年1月 4日
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 12月にJOAの普及方法研修会が4箇所で開かれた。2月には愛知でも開催が予定されているが、このうち3回の研修会に参加(うち1回はアシスタントとして)した三条OLCの藤島さんからレポートが届いた。


2日連続して同じ研修会に参加した理由

 各地の大会の参加者が減っています。「減っているから参加者を増やそう」と考えるのは自然ですが、それは正しいのでしょうか?大会の参加者を増やす事が普及なのでしょうか?私はそうではなくて「普及とは仲間を増やす事に他ならない」ということに最近気付き、今月から各地で開催されているJOA主催の普及方法研修会でこの考えを参加者の皆さんに伝えたいと思い、東京・福島会場では参加者、兵庫会場ではアシスタントとして各地に赴きました。

 オリエンテーリングが日本に導入されて以来40年、各地で数多くの大会が開かれ、もちろん初めて参加した方も積み重ねれば数万人になるかもしれません。しかしながら昨今は大学生からオリエンテーリングを始め、オリエンティアとして続ける場合が圧倒的となっています。これは何故なのでしょうか。

オリエンティアとは?

 オリエンティアとは単なる「オリエンテーリング好き」ではなくて、オリエンテーリングそのものを楽しむことはもちろん、国内外のオリエンティアとの交流や遠征も楽しみ、その楽しみを他の人にも伝え分かち合おうとし、大会を開き各地のオリエンティアを迎えるホスピタリティ(奉仕の心、もてなす気持ち)を持っている人を言う...というのが私の認識です。この考えのもとに以降の文章は記されていることをご了承ください。

普及への2つのステップ

 研修会では、「未経験者を初心者にする」段階と「初心者を愛好者(オリエンティア)にする」段階の2ステップがあるということを解説しています。私たちは前者の「未経験者を初心者にする」活動は、この40年間を通じて全国各地でたくさんたくさん行って来ています。しかし後者の「初心者を愛好者にする」活動をおろそかにしているから、普及になっていないということです。

ですからいくら様々なイベントを開いて「オリエンテーリング楽しい!」と言ってくれる人を増やしても、その後の受け皿が無いから1回やっただけでおしまい...という人ばかりが増え、オリエンティアが増えていないわけです。イベントを開くだけでは普及にはならないということに、我々は気付かなければなりません。

私の事例

私は小学4年生の時に、地元で開かれた「三条市民大会」に同級生と5人グループで参加したのが最初です。その時の大会にはいわゆる初心者の方が数十人、あるいは百数十人はいたはずですが、その初心者の中で今もオリエンテーリングを続けているのは恐らく私だけです。以後小中学生時代は、年1回の三条の大会と、県内で開かれる年数回の大会だけを楽しみにしていました。県外の大会にも出るようになったのは高校生になってからです。

皆さんの地域でも同じような事を繰り返してはおられないでしょうか?我々は実にもったいない事をしてきていると、残念ながら指摘しなければなりません。

その時の大会の主管は三条OLC(現在私が会長をさせてもらっております)でしたが、もしその当時から三条OLCが「会員募集中!毎週○曜××時から△△で練習しています。小学生以上ならどなたでも入会できます。一緒にオリエンテーリングを楽しみましょう!」というようなPRをしていたら、恐らく私や興味を持った他の初心者の方も三条OLCに入会し、年1回どころではなくもっともっとオリエンテーリングを楽しめていたに違いありません。

 「オリエンテーリングをもっとやりたい!」と思っていたのに、クラブが受け皿の機能を果たさなかったがためにオリエンティアとならなかった子どもたちがこの40年で全国に何千人何万人といたかもしれないと思うと、ますます我々はもったいないことをしていると指摘せざるを得ないのです。

クラブの重要性

 スポーツの普及を考えるときに、「スポーツはクラブスポーツとしてしか存立し得ない」という指摘がされます。すなわちスポーツ活動の最小単位であるクラブの活動の中でしかオリエンティアは育っていかないということをこの指摘は意味しており、大学クラブはそれをやっているから、大学からオリエンテーリングを始めオリエンティアとなる人が現状では圧倒的であるという事実を認識する必要があるでしょう。

マラソンやトレイルランニングとは違う

 現在ブームとされているマラソンやトレイルランニングは例外であり、オリエンテーリングが目指すスポーツの形では無いと考えた方が良いと思います。1人でも充分エンジョイでき、参加者が運営者側に廻る必要が無いからです。

 ロゲイニングは各地で好評を博していますが、ロゲイニングに出続けるだけの人(notオリエンティア)を増やしても、これまたオリエンテーリングの普及にはならないということには注意しなければならないと感じます。

今後の展開

 仲間を増やすために、三条OLCでは来年からは大会参加だけではなく練習の機会を増やし、クラブの魅力向上に取り組んで行きたいと考えています。また個人的にはオリエンテーリングスポーツ少年団の設立に向け募集を開始した他、4種目(フット、トレイル、MTB、スキー)をエンジョイし、オリエンテーリングの様々な楽しさをPRして参ります。 http://www.osssanjo.com

魅力ある大会ではなく、魅力あるクラブこそが、オリエンテーリングの普及のために求められていると思えてなりません。これからは仲間を増やそうとする気持ちを持って活動をして行きませんか?

実習前の解説を行う講師の高橋善徳さん(東京会場)
クイックOを体験する参加者の皆さん(東京会場)
普及の概念を図で示す講師の高橋善徳さん(福島会場)
クイックOの役員実習の様子(福島会場)
オリエンテーリングの現状を解説する講師の松澤俊行さん(兵庫会場)
グループディスカッションの様子(兵庫会場)
guest post by 藤島由宇(三条OLC)
[posted by c-miya]
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