昔から「オリエンテーリングの普及方策」は大きな課題であり続けているが、こうした中、「トレイルランニング」さらには「ロゲイニング」は、オリエンテーリングから見ても非常に注目すべき存在である。これらは「山道を走る」「自分でルートを考える・選択する」という点で、オリエンテーリングにかなり「隣接する」競技だと言えるだろう。
もちろん、「道をはずれて林・森の中に入っていく」とか「より難度の高い読図力が必要となる」など、オリエンテーリングとの差異を挙げることは容易である。しかし、トレラン・ロゲイン競技者は、「長い距離を走る」というオリエンテーリングの非常に重要な要素の一つをクリアしている上に、マラソンやロードレース愛好家よりも、かなりオリエンテーリングに近いところにいる。トレラン・ロゲイン競技者を、集団としてみれば、そこには潜在的なオリエンテーリング愛好者が、他の集団よりも多く含まれることは間違いないだろう。(その確率がどの程度か、という点で大いに議論はあるだろうが・・)トレラン・ロゲイン競技者の増加は、オリエンテーリングにとっては期待の持てる現象だと解釈してよい。
また、トレランやロゲインに参加している人は、多くが他競技の経験者であると思われ、そういう意味で「新しい競技をやってみる」ことに抵抗感が少ないのではないか。フィジカルの強さ、スポーツへの情熱や投入できるエネルギーといった点で、トップレベルのオリエンティアに並ぶ、さらにはそれ以上の競技者も少なくないようだ。最近、そうした競技からオリエンテーリングに入ってきてくれた(と言うのが私の素直な気持ちだ)人たちを見れば、これらのことも頷けるだろう。
こうしたことを考えれば、(特にコアな)競技者数の増加を目指すうえで、トレラン・ロゲイン競技者をターゲットにした取組みも重要になってくる。効果的なPRのあり方、そして新たにオリエンテーリングを始めた人へのフォローの仕組みなど、隣接競技からオリエンテーリングへの「誘導方策」を、組織的に開発・実践していくことが求められよう。
(「誘導方策」について筆者は、具体的な方策を持ち合わせておらず、ここでは単なる問題提起だけに留まっているが、読者の皆様からのご意見・提言がいただければ幸いである。)
※次回掲載は8月中旬の予定です。
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